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4年間で練習熱心な小学2年生に大変身!~レッスンですぐに泣いていた年中のS君の成長を「待つ」ことで起きた変化~ 「待つ姿勢」の具体例① 

日野市程久保に私がピアノ教室を立ち上げたのは今春(2023年4月)ですが、指導歴は間もなく20年になろうとしています。
(小金井教室の立ち上げについてはこちら)

その約20年の間、ずっと「待つ」という姿勢を大切にしています。


「待つ姿勢の大切さ」についてはこちら

具体的に、どのように大切にしているか…ということを実際のレッスンの事例から紹介したいと思います。

レッスン中にすぐ泣いてしまうS君

小金井のお教室の生徒さんで、小2のS君という生徒さんがいます。

S君は年中さんから通ってくれていて、今年で4年目になる生徒さんです。

このS君、今はだいぶ力もついてきて、自信満々で元気に通ってくれるようになりましたが、ここに至るまでは大変な道のりでした。

というのも、S君はレッスン中にすぐに泣き出してしまって、一度泣き始めたら止まらなくてその後はレッスンにならない…というクセがあったからです。

S君がレッスンで泣くようになったのは、幼稚園の年長さんの夏頃からです。

お母様にうかがったところ、ちょうどその頃から幼稚園でも、スイミングスクールでも、他の習い事でもすぐに泣くようになった…とのことでした。

泣き始めると止まらないので、レッスンの終わりまで泣いて、泣きながら帰ります。

そんなわけで、いくつかの習い事を辞めざるを得なかったようです。

S君がなぜ泣いてしまうのか、どういう気持ちなのか、何がきっかけなのか、原因となる何かがあったのか…ということは、正直なところ今でもよくわかりません。

S君が泣いてしまうたびに、どういう言葉かけなら大丈夫で、どうすれば機嫌良く楽しくレッスンができるのか、一生懸命に考え、試行錯誤しました。

S君は、どうやらピアノそのものやレッスンに来ること自体はいやではないようでした。

なぜならどんなに泣いても次の週は元気よくやって来て、しかもよく練習しているのです。

そして結構自信満々だったりします。

でも、「ここのところ、もう1回弾いてみよう。」とか「この部分、こんな風に弾くともっとステキじゃない?」なんて言おうものなら、みるみる大粒の涙を流し始めて、その後ずっと泣き続けます。

どうやらS君にとって「もう1度弾かされる」ということは、自分を否定されたように感じるようでした。

「先生が1回で〇をくれないのがいやだった?」と聞いたら、大きくうなずいていました。

S君にとっては1回でできる(あるいはOKをもらう)ことが「必須」であり、そうでなければ「絶望」したようになってしまう…そんな感じに見えました。

その他の場面では、「わからない」とか「出来ない」と感じると、泣き出すようでした。

そのS君が「わからない」とか「できない」と感じるポイントの見極めが結構難しくて、先週は出来たから大丈夫かな…とか、ここまで出来ているからあと少しの挑戦!と私が思っても、S君にとっては難題に感じたりするようでした。


S君のレッスンの様子

そんなS君に対して、私はS君の気持ちにできるだけ寄り添いつつ、成長を「待つ」ことが必要なのかな…と、思いました。

年長さんのお子様が小学校に上がる前に、環境の大きな変化やプレッシャーで、少し不安定になる場合もありますが、たいてい小学校に入ってしばらくすると落ち着いて、ぐっと大人びたりします。

S君も小学校に入ってしばらくすれば安定するのでは…と思っていました。

だから結構のんびりと構えて、無理は禁物、あまり背伸びをさせずに、できる範囲で少しずつ進歩することを心がけて指導にあたりました。

それでもすぐに泣き出してしまうS君、どんなに気をつけてもやはり泣いてしまうS君でしたが、泣くのもまぁ、良し…という態度でレッスンに臨みました。

S君が泣き出したら、「泣いていていいよ、先生、泣きやむまで待ってる。」と声をかけます。

これには落ち着いてほしい、という気持ちと、S君の態度を受け容れています…という思いを込めていました。

ただせっかくレッスンに来ているのだから、どうせなら1回でも弾いて欲しい…。

そのことも伝えて、待っています。

帰る5分前に少し機嫌が直って、ちょっとだけ弾いて帰る…毎回ではないけれど、そんなことが結構何度もありました。

レッスンの終わりまで泣き続けて、泣きながら帰るよりもずっと進歩です。

そんな状態なので、S君はなかなかピアノの腕が上達しません。

でも、少しずつでも上達するように、できるだけ泣かせないように気をつけながら、大きな挑戦はしないけれど、少しずつ、本当に少しずつ指導を続けて行きました。

小学生2年生になったS君

そんな状態のまま、S君は小学2年生になりました。

小学校に入ったら安定するのでは…という予想は、思っていたよりは時間がかかりましたが、おおよそ当たりでした。

小学校に入ってからも、S君はしばらくはよく泣いていましたが、2年生になって泣く回数がだんだん減ってきたのです。

ずいぶんと泣くのをこらえられるようになり、レッスンの終わりまで我慢して、終わった途端に泣き出す…ということもありました。

お母様によると、学校では、1年生の時はよく泣いていたけれど、2年生になってからはほぼ泣かなくなったそうです。

そしてレッスンでは、1年生の終わりまではお母様が毎回同席していましたが、2年生になってからは1人で来るようになりました。

そして2年生の夏休み前に、なんとかピアノスタディの1巻が終了し、グレードテストを受けて合格するほどの成長を遂げたのです。

ピアノスタディとグレードテストについては、こちら

もしも待たなかったら…

S君のピアノの進歩は、非常にゆっくりとした歩みでした。

でも、やはり「待った」甲斐があったと思います。

もしも「待つ」ことをしなかったら、グレードテストに合格することもありません。

ピアノが弾けない状態で辞めていたかもしれません。

でもS君は、ピアノも音楽も、たぶん結構好きなのです。

辞めずに、少しでも弾けるようになったことは、とても貴重なことです。

小学校入学前後の成長期に音楽を学べたこと、ピアノを弾く練習をしたことは、とても貴重な体験です。

それにもっと言えば、泣いて辞めてしまう…というクセがつくと、「泣いて解決する」という、誤った社会的な態度を強化することになりかねません。

そこをS君も、お母様もじっと耐えてレッスンに通い続けたことは、これからの人生にとって大きな礎になって行くことでしょう。

だからやはり「待つ」意味がある。「待つ」ことの効果

小学校入学前後のお子様を持つお母様方にお薦めしたいのは、ぜひお子様の成長を「待つ」姿勢です。

特にお子様が泣いてしまうと、確かに「この子に合わないのでは?」と思うでしょう。

もちろん本当に嫌なら、他に好きなこと、夢中になれることがたくさんあるでしょう。

ただし、嫌いではない、もしかしたら好きかもしれないようであれば、それは「待つ」に限ると思います。

すぐに結論を出すのではなく、少し成長を「待ち」ながら様子を見る…
そしてそれは、必ずしもゆったりと構えることだけではありません。

レッスンの中で、確かに私はゆったりと構えていました。

でも、S君のお母様は、レッスン中S君を叱責する…ということもありました。

それはS君とお母様との間で、「レッスン中は泣かない、泣いたらそこでレッスンは終わり」という約束をしていたからです。

約束を守ることも、守れなかったら叱ることも大切です。

ほめたり、叱ったりしながら…でもじっくり「待つ」ことが大切なのだと思います。

S君の音楽的な成長は、まだまだこれから、いえ、ここからです。

でも、「待つ」ことによって、レッスンや音楽に対する、もっと言えば社会的な基本の姿勢を身につけられたことは、大きな財産だと思います。

生徒さん本人の向き・不向きや好みの見極めも大切ですが、「待つ」姿勢がどれだけ大切か…ということを実感させられた事例です。

以上、「待つ」姿勢の大切さの具体例、S君の事例でした。

「待つ姿勢の大切さ」についてはこちら

「待つ」姿勢の大切さ レッスンの具体例②はこちら ~年中から小6まで8年間レッスンに通ったNちゃんの成長ぶりについて~

「待つ姿勢」の原点についてはこちら 「待つ」姿勢の原点 ~娘の子育てから痛感した教訓~

その後のS君の成長についてはこちら ~S君のその後の目覚ましい成長ぶりについて~

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