「待つ」という姿勢(教育論)~私がレッスンで大切にしていること~
日野市程久保に私がピアノ教室を立ち上げたのは今春(2023年4月)ですが、指導歴は間もなく20年になろうとしています。
(小金井教室の立ち上げについてはこちら)
その約20年の間、ずっと大切にしてきた姿勢があります。
それは「待つ」という姿勢です。
なぜなら…
子どもの成長というのは目を見張るほど早く、少し―あるいは長めに―待つことで、
その後の大きな成果を期待できるからです。
何を「待つ」のか?
「待つ」というのはまず、できないことができるようになるのを待つこと、
今日のレッスンではできなくても来週は出来るかもしれない、
来週がだめでもその次には…と、焦らずに待つことです。
それは単純に、弾けないものが弾けるようになる…という類いのことでもあるし、
また「指づかい」のように、今回できても次回はうっかりする…というように身につけなければならないけれども、なかなか身につかない…といったものに対して、何度でも、口が酸っぱくなっても言い続ける、身につくまで根気よく言い続ける…という種類のものであったりもします。
そしてまた、もっと長い目で見て、お子様の成長そのものを待つ…ということも含まれます。
教育に必要なこと…「待つ」姿勢
目の前のことに一喜一憂するのではなく、ある程度長い目で生徒さんを見る…極端な話、その生徒さんが大人になった時、あるいはピアノをやめた後にも何かが残るために、今、その生徒さんにとって必要なものは何かを考える…という視点が大切だと思っています。
教育とは、子育てと同じで、その子が大人になって独り立ちする時に必要なことを根気強く指導したり、サポートしたりしながら育てて行くもの…だと思います。
指導者は、生徒さんに夢や目標を与えて頑張らせる…そして生徒さんの将来に思いを馳せながら、決して先を急ぐことなく、「待つ」という姿勢が大事だと思っています。
私が本当に「待っている」こととは?
そして、そんな私が本当に待っていること…それは生徒さんの音楽的な成長です。
どんな生徒さんにも、その人らしい音、その人らしい音楽というものがあり、それが内側から湧いてくる…という瞬間があります。
器用にいろいろなことをこなせて、すぐにそんな時がやって来て、そのまま順調に上達する生徒さんもいます。
その一方で、それほど器用ではなかったり、苦手意識を持っている生徒さんでも、
少し時間はかかりますが、続けているうちに必ずそういう時が来ます。
自分の好きな曲に出会い、その曲がどうして好きなのか、どう弾きたいか…その生徒さんの思いが伝わってくるような演奏をする瞬間が必ずやって来ます。
私が講師をしていて一番幸せを感じる時間です。
その喜びを、生徒さんと共有できる…
そんな瞬間を、何度も経験してきました。
生徒さんによっては、年単位で時間のかかる場合もあります。
でも、待っていれば必ず訪れる瞬間です。
それがわかっているので、私は長い時間、楽しみに待つことができるのです。
「音楽的な成長」とは?
ひとたびそういう経験をすると、生徒さんはガラリと変わります。
自分が「弾ける」ということを実感するので、自信がつきます。
だから壁にぶつかっても、越えることができるようになります。
希望をもてるようになり、新しい曲に対する興味がわいてきます。
そして「練習が必要だ」ということもわかってきます。
そうなると、喜んで自分を音楽で表現するようになって行きます。
そんな瞬間を生徒さんと共有できる時を、私は楽しみに、じっくり構えて待っているのです。
私が生徒さんの成長をじっと待った具体例については、次のブログで紹介したいと思います。
「待つ姿勢」の具体例①はこちら 4年間で練習熱心な小学2年生に大変身!~レッスンですぐに泣いていた年中のS君の成長を「待つ」ことで起きた変化
その後のS君の成長についてはこちら S君のその後の目覚ましい成長ぶりについて
「待つ姿勢」の具体例②はこちら ~年中から小6まで8年間レッスンに通ったNちゃんの成長ぶりについて~
「待つ姿勢」の原点についてはこちら→「待つ」姿勢の原点 ~娘の子育てから痛感した教訓~
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