人の心をとらえる演奏~S君が見せてくれたキラリと光る音楽~
私が「待つ」姿勢を大切にする理由
私はかねがね、子供の成長は「待つ姿勢が大切」と、言っています。
そして「待つ姿勢」を多摩の森ピアノ教室(日野市程久保)の指導方針に掲げています。
私が何を「待つ」のかというと、生徒さんの「音楽的な成長」です。
その人が本来もっている音、その人らしい音楽を奏でるようになること、です。
詳しくはこちら→「待つ」という姿勢(教育論)
その人らしい音、その人らしい音楽とは何か?というと、
それは「聴く人の心をとらえる演奏」と言い換えても良いのかもしれません。
演奏する人の心の底からわいて出てくるような音楽は、聴く人の心をとらえる魅力をもっています。
そしてそれは、長く経験を積んだ巨匠のような演奏家とか、そのぐらい練習した人だけができることではなくて、小さい子のあどけない演奏にも、キラリと光るものがあったり、ホロリとさせられることもあるのです。
どんな人も持っている、キラリと光るもの…その光が放たれる時を、私はじっくり「待っている」のです。
泣いてばかりだったS君が、遂にホロリとくるような演奏を!
先日、レッスンでそれを再び実感するような事がありました。
ブログで今までに2度ほど紹介した小学3年生のS君が、とても感動的な演奏を聴かせてくれたのです。
レッスン中にすぐに泣いてしまって、なかなか先に進めなかったS君。
そのS君は今、『ピアノ・スタディ②』を終わらせて、グレードテストに挑戦するための特訓中です。
(詳しくはこちら→バイエルからピアノスタディへ)
テキストの中から課題曲を1曲と、自由曲が2曲の、合計3曲選んで練習しています。
その演奏が、3曲とも、とてもステキだったのです。
感動して、ホロリときました。
その気持ちを伝えると、S君は「そんなに?」と怪訝そうな表情を一瞬浮かべましたが、すぐに「いっぱい練習したもんね」と、誇らしげなドヤ顔を見せてくれました。
こういう瞬間を、私は待っていたのです。
そしてこういう瞬間があるからこそ、「待つ」ことができるのです。
S君は、多摩の森ピアノ教室(日野市程久保)に通うようになって5年目です。
5年というのは、長くかかった方です。
既に「小さな子」ではありません。
生徒さんによっては、比較的時間をかけずにそういう演奏ができるようになる人がいます。
S君は、本当によくここまで頑張りました。
それだけ音楽やピアノが好きだったのだと思います。
こういう日を信じて、じっくり待って良かった!と、つくづく思いました。
(すぐに泣いてしまうS君についてはこちら→4年間で練習熱心な小学2年生に大変身!)
(S君の成長についてはこちら→S君のその後の目覚ましい成長ぶりについて)
S君はこれから飛躍的に、どんどん伸びて行くでしょう。
これからの成長が楽しみです。
たくさんの曲に挑戦して、音楽の世界を広げてもらいたいと思います。
すべての人がもつ、キラリと光るもの
冒頭にも書きましたが、全ての人がキラリと光る何かを持っていて、その光を放つ時、聴く人にその光が伝わるのだ…と、私は思います。
生徒さんがその光を放つようになるのを、私は「待っている」のです。
「待つ」時間の長さは、人によってまちまちです。
小さいうちに、案外簡単にキラリと光るものを見せてくれる生徒さんもいます。
S君のように少し時間がかかってしまう人もいます。
いずれにせよ、年齢とか経験とかはあまり関係がないと思います。
だから小さな子供が簡単な曲を弾いても、感動させられることがあるのです。
もちろん巨匠の熟練した技は、多くの人を圧倒的に感動させられます。
でも、きっとその巨匠の熟練した技も、小さい光を積み重ねた結果でしょう。
普通の人がなし得ないほどの積み重ねだから、人は驚嘆するのでしょう。
それが音楽の醍醐味なのでは…と思います。
年齢とか経験に関係なく、人を感動させることのできる光-もちろんその光に大小はあるけれど―、その光を大きくして行けるように、人は練習したり、レッスンがあったりするのだと思います。
以上、S君の飛躍的な成長で気づかされた、私が「待つ」ものについてお話しました。
誰もがもつキラリと光るものをピアノで放ってみたい方、またお子様にそういう経験を積ませたい方をお待ちしています。
多摩の森ピアノ教室では無料体験レッスンを行っています。お申込みをお待ちしています。お申込みはこちらから。