練習について③ 自宅練習はお子様との期間限定の宝物の時間!これを大切にしない手はない!~レッスンや自宅練習に親はどこまで関わるか~
日野市程久保に私がピアノ教室を立ち上げたのは今春(2023年4月)ですが、指導歴は間もなく20年になろうとしています。(→小金井教室の立ち上げはこちら)
その中で、私は「自宅練習の大切さ」を強く感じています。
そして「練習」とは、自分の中に「目には見えない宝物を蓄えて行く時間」だと思っています。
ピアノが上達するには「練習が大切である」ということ、またピアノのレッスンには「自宅練習が必要であること」、そしてその練習や努力の価値や魅力について、前回・前々回のブログでお話しました。
→練習について①「ピアノ練習の魅力 ~努力の価値について~」についてはこちら
→練習について②「自宅練習の大切さ」 ~お子様に見る4つのタイプについて~」はこちら
今日は、そのピアノのレッスンや自宅練習に、どこまで親が関わるのか…ということについてお話したいと思います。
レッスンも自宅での練習も、お子様ひとりで大丈夫
これからお子様にピアノを習わせよう…と思っている方や、すでに習わせている方で、お子様のレッスンに同席すべきか、あるいはいつまで同席すべきか迷っている方もいらっしゃると思います。
また、お子様の練習を見てあげなければいけないのか…とか、一緒にやらなければいけないのか悩まれている方もいらっしゃると思います。
結論から先に言うと、将来的にはレッスンも自宅練習も「お子様おひとりで大丈夫」だと、私は思っています。
後で詳しく書きますが、ある程度の年齢になるとお子様は自立して、しっかりと自分の世界を持ち始めます。
ひとりでレッスンを受けたり、自分で練習ができるようになる日が必ずやってきます。
だから「両親とも仕事をしている」、あるいは「下のお子様がまだ小さい」などの理由でお子様のレッスンに同席できない…という方や、「親がピアノを弾けないから、自宅での練習を見てあげられない」という方も、ぜひ安心してお子様をレッスンに通わせていただきたいと思います。
お子様と一緒の時間を大切に
とはいえ、小学校入学前のお子様や、小学生でもピアノを始めてすぐのお子様にとってレッスンは不安でいっぱいなことでしょう。
また保護者の方も、どんなレッスンを受けているのか…とか、お子様がどんな様子でレッスンを受けているのか…など、同じように不安なことでしょう。
ピアノを始めてすぐの頃は、「ひとりでレッスンを受ける」ことや「ひとりで自宅練習をする」ことを、「近い将来」の目標や目安にしていただければ良いと思います。
この「近い将来」の時期ですが、お子様の年齢や性格と、保護者の方のご都合(ご両親とも働いている・下に小さいお子様がいる…など)によってさまざまです。
そして家での練習も、お父様やお母様が一緒に見てくれたり、教えてくれたり…というお子様もいます。
最初のご挨拶の時だけ保護者の方と一緒にいらっしゃって、あとはひとりでも全然大丈夫…という小さなお子様もいれば、小学生でもしばらくはお父様やお母様、あるいはおじい様やおばあ様と一緒に来る…というお子様もいらっしゃいます。
お子様が、保護者の方がレッスンに同席することや、自宅での練習につきあってもらったり、見てもらうことを喜び、それが保護者の方に可能であるなら、できる限り「お子様と一緒にやれること」を大切にしていただきたいと思います。
なぜならそれは、お子様にとっても保護者の方にとっても、人生の中の極めて短い「限られた時間」、いわば「期間限定」の貴重な時間だからです。
お子様が、保護者の方がレッスンや自宅練習に一緒にいてもらって嬉しいのは、せいぜい小学校3年生ぐらいまでです。
だいたい2年生ぐらいになると、レッスンに同席されるのを嫌がり始めます。
自宅練習を見てあげるのも、3年生ぐらいになるとお子様から断られてしまいます。
一曲弾けるようになって、嬉しそうに「聴いて、聴いて」と言っていたお子様も、小学校の高学年になると聴かせてくれなくなります。
それらはすべて「成長の証」です。
親は寂しくても、喜んで受け入れるしかありません。
お子様の幼い日はもう戻りません。
だからもしお子様と一緒にできることがあれば、どうぞその時間をできるだけ大切にしてください。
ご両親とも働かれている場合は、お休みの日にレッスンや練習について聞く機会を作ってください。
下に小さなお子様がいて、なかなかお上のお子様との時間がとれない場合も、ぜひ機会を作ってください。
「今、何を弾いているの?」とか、「聴かせてもらえる?」と、ぜひ頼んでみてください。
ピアノが弾けない…という方は、お子様に「教えてもらう」のが効果的です。
お子様のモチベーションが著しく上がります。
先日、小2のS君が「きらきら星」がうまく弾けたので、楽譜に大きな花丸をつけたら、得意気に「今日ね、帰ったらお母さんにこれ、教えてあげるの」と言っていました。
その誇らしそうな顔といったら!
お母様に見せてあげたいぐらいでした。
(小2のS君はこちらのブログに詳しく書きました。
→「待つ」姿勢の大切さ レッスンの具体例① ~レッスン中すぐに泣いてしまうS君の事例~)
「お母さんに教えて」と言われて張り切る生徒さんは、S君が初めてではありません。
以前にも何人かいて、どの生徒さんもとても嬉しそうでした。
大好きなお母さん(もちろんお父さんでも良いのです。)に自分が教えてあげられるのです。
とても上手なお子様との接し方だと思います。
ぜひ試してみてください。
お子様の気持ちを大切に
ここで大切にしていただきたいのは、お子様の気持ちを最優先する…ということです。
「レッスンに一緒に来てほしい」とか、「一緒に練習をしてほしい」というお子様の気持ち、あるいはその逆の「レッスンについて来ないでほしい」「練習はひとりでできる」という気持ちをしっかりと受け留めてほしい…ということです。
どちらもお子様の自然な気持ちであり、成長です。
お子様が、親が一緒であることが嬉しい時はたくさん一緒にいる、そうでなくなってきたら「成長」と受け留めて喜ぶ…、そこをしっかりと見極めてください。
このどちらの気持ちも大切にして見守って行くことこそ親の愛情であり、お子様にとっては心の栄養となり、生涯の宝物になって行きます。
そもそもピアノを習わせること自体、親から子への「贈り物」だと、私は思っています。
子どもは、子どもの時には親の愛にもピアノのレッスンが「贈り物」であることにも気がつかないでしょう。
でも、その密かに贈られる愛情で、お子様の心は豊かに育ちます。
それはお子様の「音」にもこもって行きます。
それだけではなくて、その後の人生をも豊かにすることでしょう。
そんなわけで、レッスンや自宅練習に親を必要としなくなるまでは、お子様との時間を大切にして、また「自立」を感じたら、お子様の気持ちに寄り添いながらそっと見守り、サポートしてください。
以上、本日は「レッスンや自宅練習に親はどこまで関わるか」についてのお話でした。
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