子供のやる気を引き出すために!「練習の回数を可視化する」
練習の「量」を増やすには「回数」を提示して「可視化」する
多摩の森ピアノ教室(日野市程久保)では、「ピアノが、音楽が、ずっと好き…弾きたい時に弾ける人になる」という理念を掲げ、「練習」を大切にしています。
その「練習」ですが、要点をおさえた「質」の良い練習も大切ですが、練習の「量」はダイレクトに上達につながります。
練習の「量」はピアノの上達に欠かせない…と、言っても過言ではありません。
ただ、子供に練習の「量」を単純に求めてしまうと、よほどにピアノが好きな子か、
ものすごく練習熱心な子でない限り、きっと負担に感じてしまうことでしょう。
「勉強しなさい!」と言うと、かえって子供のヤル気をそいでしまうのと同じでしょう。
そこでピアノの練習で効果的なのは、具体的に「練習する回数」を提示することではないか…と思います。
そしてそれを「可視化」することで、さらに効果が上がると思います。
発表会で大活躍!効果満点の「魔法の100回シート」
「練習の回数の可視化」が大切だ…と、私が思ったのは、発表会の練習のために作った「100回シート」というものがとても効果的だったからです。
この「100回シート」というのは、タテ10・ヨコ10の100のマス目に1から100までの数字が書いてあるだけのシートです。
発表会の前に、どうやったら生徒さん達が上手に弾けるようになるかを考えた時、
「100回弾いたらうまくなるのでは?」と思いました。
でも、ただ普通に「発表会までに100回弾いてみよう!」と言っても、
生徒さん達はきっと「えぇ~っ!」となってしまうでしょう。
そこでなんとかやる気になってもらうために、1から100までの数字を書いたシートをわたして、1回弾くごとに〇をつけてもらってはどうか…と思い、作ってみました。
そしてこれが、予想をはるかに上回る結果につながったのです。
「数の可視化」はモチベーションを持続する
この100回シートは、先述のとおり、1回弾いたら1つ〇をつけるだけの単純なものですが、その1つの〇だけでも結構な達成感があるようです。
これはレッスンに来た時に、出席カードにシールを貼るのがワクワクするのと同じような効果でしょう。
どちらも数が積み重なると、つまりシールや〇の数が増えてくると、満足感とともに「更に増やそう!」という意欲につながります。
逆にシールや〇の数が少ないうちは、自分がまだあまり練習していないことがはっきりわかります。
そして〇の数が増えてくると、満足感と共に、たどたどしかった演奏がだんだん流暢になり、どんどん上手になっていることに気づきます。(シールも同様です。)
最初は大変だと思っていた100回の練習が達成できそうになる頃には、
ずいぶん美しく弾けるようになっていることに、生徒さん自身が気づくのです。
「100回シート」の本当の効果
最初は「100回」という数の達成のために生徒さん達は頑張りますが、
そもそも発表会は、その生徒さん自身が「弾きたい曲」を選んでいます。
それが上手に弾けるようになったら…。
「弾きたい曲」には、その人が「弾きたい」と思う、曲の魅力がつまっているのです。
つまり、その人が感じる「ステキ」な部分があるのです。
練習によって、その「ステキ」と感じるものを存分に発揮できるようになる…
それが「100回シート」の本当の効果です。
そしてその人が「ステキ」と感じるものを存分に発揮すると、弾く人も、聴いている人も、
どちらも楽しい気持ちになれるのです。
この「100回シート」は、何度も書きますが、単純な「紙に書いた100のマス目」です。
でも、生徒さんひとりひとりの個性を輝かせ、聴く人をも楽しませることのできる、
まさに「魔法のシート」なのです。
不思議なことに、このシートの効果は生徒さんの年齢や曲の難易度はあまり関係ありません。
幼稚園・保育園生から高校生まで、演奏時間の短い簡単な曲から、
長い、ちょっと難しい曲でも効果があります。
演奏時間が短くて簡単…といっても、それはピアノの経験の長い人から見た観点であって、
小さい子供にとっては、大人が長い曲に挑戦するのと同じぐらい大変なのです。
要は、どんな曲でも「まずは100回弾いてみる」ことが大切なのだと思います。
「回数の可視化」は、普段のレッスンや練習にも応用できる
そしてこの「練習の回数を可視化する」という方法は、
普段のレッスンや自宅での練習に応用することも可能です。
普通のレッスンの時に弾く曲は、少しずつ曲のレベルを上げて行くので、
1つの曲が弾けるために100回の練習は必要ないでしょう。
でも、スラスラと弾くためにあと少しの練習回数が必要という場合、
ただ単に「もう少し練習しようね」では曖昧です。
やはり練習の回数を提示する必要があるでしょう。
この場合、5回なら「正」の字を、10回なら「正」の字を2つレッスンノートに書くぐらいで良いと思います。
もちろんもっとステキな、子供達がワクワクする方法があるかもしれません。
5回シートとか10回シートがあっても良いのかもしれません。
ただ、この時に気をつけたい一番大切なことは、「子供自身がその回数を納得すること」だと思います。
生徒さん自身の前向きな姿勢を大切にする
生徒さんによって、「回数」の感じ方はまちまちです。
「あと何回弾いたら上手くできるようになるかな?」と聞いた時に、
「(こちらの提案する)5回」を、「それならできる!」と思う生徒さんもいれば、
「そんなに弾けない」と言う生徒さんもいます。
この時に大切なのは、「回数」そのものではなくて、その生徒さんが「それならやってみよう」と思える「納得する回数」なのです。
納得してやってみた結果、弾けるようになれば一緒に喜び、
上手く行かなければ、さらにその「回数」を増やします。
それも子供が納得する回数を、です。
つまり、子供自身が前向きな姿勢になること、これが一番大切なポイントだと思います。
「100回シート」は、子供が前向きな姿勢を保ち続けることができるからこそ、
効果があると言えるのでしょう。
「100回シート」が達成できなかった時は…
最後に、もし子供が「100回シート」の「100回」という数を達成できなかった時はどうするか…。
それはそれで、そこまでの「努力」を大いに褒めるべきだと思います。
そこまでにやった「努力」は、必ずその演奏に反映されます。
そのことをきちんと子供に伝えて、やはり子供が納得できるように褒めてください。
それは日常のレッスンや練習でも同じです。
「量(回数)」は確かに必要です。
それによって「上達の具合」がはっきりわかるから必要なのです。
「量(回数)」を目指すことの、本当の目的はそこです。
でも、「量(回数)」をこなせなかったからと言って、積み重ねた「量(回数)」は、きっと次につながります。
そのことを子供にきちんと伝えて、次の目標につなげることが大切なのだと思います。
以上、多摩の森ピアノ教室(日野市程久保)秘伝の「魔法の100回シート」をご紹介しました。
効果絶大なこのシートは簡単に作れるので、発表会などの大切な時にぜひお試しください。
そして普段のおうちでの練習でも(少ない数で)応用してみてください。
100回シートを実際に使った例…〇のかわりにレをつけています。10回ごとに、自分で好きなシールをはっています。
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