秋の夜の静寂
長く続いた暑い日々も過ぎ去り、ようやくすがすがしい季節となりました。
季節の移り変わりを感じていたところ、夕べ夜中に目が覚めて気づいたのが、
びっくりするような静寂!
数日前までは虫の声でとてもにぎやかだったのです。
木々に囲まれた我が家の周辺は、虫たちの大合唱に包まれていました。
それが一転して静寂。
驚きました。
昼間はまだ汗ばむような陽気ですが、いつの間にか秋が深まっているのを感じました。
私はこの「静寂」が結構好きです。
「静寂」に耳を澄ましていると、耳の奥の深いところが休まる感じがします。
すべての神経が鎮まるような、不思議な心地良さを感じます。
「無」の境地になれるような気がしてきます。
日のあるうちは鳥たちのにぎやかなさえずりや羽の音、時として木をつつく音、
日が沈むと虫の声だなんて、なんだか贅沢…
と、数日前まで思っていましたが、今はもう夜は「静寂」。
これもまた、なかなか、いえ、かなり贅沢な心地がします。
私は音楽も好きだし、鳥の声も、虫の声も、そして人の声も好きですが、
ひょっとしたら「静寂」はもっと好きかもしれません。
「音のない時空」があるからこそ、いろいろな音を楽しめるのだと思うのです。
こうして文字を綴っている今、窓の外では、ヒヨドリが柄のある白いお腹を見せながら仲間と鳴き交わしています。
多摩動物園線の電車が走る音も聞こえてきます。
たくさんの音に満ち溢れる昼ですが、夜はまた静寂に包まれるのでしょう。
そういえば、夕べはライオンの雄叫びが聞こえませんでした。
ライオンも、そしてたぶん他の動物達も、この夏の暑さから解放されて、
静かな夜の眠りを堪能していたのかもしれません。
今日もまた、静かな夜を迎えられることでしょう。
こういう秋の楽しみ方も、なかなかだ…と思います。