歴代のネコ紹介① ~ オングル
初めて家に迎えたネコ、茶トラのオスでした。私が高校3年生の文化祭の時に、同級生の誰かが学校に来る途中に拾ってきた2匹の子猫のうちの1匹を連れて帰ってしまいました。社宅だったので当然ペットは禁止です。まして両親ともに猫嫌い。なぜそんな暴挙に出たのか今となっては不明です。連れて帰ったら、もちろんまず母に叱られます。でも「捨ててらっしゃい!」とは言われませんでした。それどころかミルクをあげ、ごはんをあげ…「いいの?」と聞いたら「良くないけど命あるものだから」。
続いて父。当時単身赴任中で、帰ってきたのはその2週間後です。電話で報告しましたが、当然「捨ててこい!」でも一緒にいないから当面は大丈夫。さて、いよいよ父の帰宅。当然不機嫌です。しばらく無言。そして「猫はどこだ。」怒ってます。
さぁ、ネコ君頑張れ!父の機嫌をとりましょう…ってあれ?いない!さっきまでいたはずなのに。家中探し回ると、洗面所の窓辺に小さく丸まっていました。外へ出ようとしたのでしょうか…。
父の前に連れて行ったら、観念したように父を見上げます。まるですべての状況がわかっていて、自分の不利な立場に泣きそうな顔で父を見上げています。その顔に…父も「追い出せ」とは言えなくなってしまいました。
その後ずっとネコは父の後ろをついてまわるのです。トイレに行けばトイレの前に、お風呂に入れば出てくるまでお風呂の前に。父が座ればその横に。自分の存在を認めてくださいと、哀願するようなその態度に父がとうとう「お前には負けた」と言いました。それがネコとの暮らしの始まりでした。
ネコ君は母が強引に「オングル」と名付けました。南極の昭和基地があるオングル島が名前の由来です。母がその頃見た「南極物語」という映画に感動したところからつけました。私と妹が「南極物語」は犬の話じゃない…と言っても聞く耳をもたず「グルちゃん」と呼んでいるうちにネコの方が名前を覚えてしまいました。この「グルちゃん」は4歳ぐらいまでしか生きられませんでしたが、家族全員をあっという間にメロメロにして、猫派に変身させました。その功績は偉大でした。